読む前に · 0-2
自分の道を見つける
本書で論じるように、一般的な書籍の語り口は最初から最後へと直線的に進むので、あらゆる読者を無理やりまったく同じ学習経路に押し込めてしまうという大きな欠点を持っている。本書のオンライン版は、ハイパーリンクを大幅に活用することでこれを回避しているが、物理的な本を手にしている読者は、どう読み進めるのがいいのか悩むかもしれない。この問題を部分的に回避するために、私たちはテキストを「円環」的な構成にした。読者はどこから読み始めてもかまわない。そこから最後まで来たら、ぐるっと戻って以前の内容を読むことができるというわけだ。
特に以下のような読み方がおすすめだ。
・主にトピック的、政治的あるいは時事的な面に興味のある人は、第1章の「序」から入り、そのまま通読しよう。
・もっと概念的、理論的、広く知的な興味を持っている人は、第1章と第2章はとばして、第3章から始めてみよう。
・技術的、テクノロジー的、工学的な興味のある人は第4章から始めてはどうだろうか?
・具体的なテクノロジーとその応用に興味があるなら、第5章から始めよう。
・現実世界での個別社会部門への影響に興味があれば、第6章から始めるといい。
・公共政策や政府、社会動員に興味があれば、第7章から始めよう。
どこから出発するにしても、読み始めて興味が湧いたら、そのまま読み進めよう。最後まで来たらぐるっと戻り、本の「後のほう」で使われた理論的な枠組みについて、最初のほうに書かれている内容で理解を深めてほしい。
この本は生き物だ。印刷版を読んでいるなら、それはほぼ間違いなくすでに古くなっているので、Plurarity公式サイト(https://www.plurality.net/) で最新バージョンを無料でダウンロードして読もう。
さらに重要な点として、皆さんも単なる読者にとどまらず、このプロジェクトの協力者となってほしい。https://github.com/pluralitybook/plurality/ に行けば、テキストに関する懸念や問題(「イシュー」として)をいつでも送信できるので、コミュニティはそれを見て優先的に対応できる。あるいは修正案があればそれを(「プルリクエスト」として)送信して、コミュニティの意見をもらうこともできる。
本書で何か間違っている部分があったら、それは招待状だと思ってほしい。正しくないと感じるところがあれば、それを直そう。「自分たちのコミュニティではこんな言い方はしない」と思ったら、自分たちの言い方に合わせたバージョンを作ってみよう。コミュニティと関わりたくなければ、この文書には著作権がないので、必要なものだけ持って、残りは放っておこう。「なぜ誰もこれをやらないのか?」と言うなかれ。あなた自身がその「誰か」になろう。